当事務所所長は2025年11月28日に神戸オークラホテルで開催された日本海運集会所主催年末忘年会に参加し、神戸所在の海事弁護士や海事関係者の方々と歓談交流しました。日本海運集会所は日本最古の仲裁機関であり、1926(大正15)年から我が国唯一の常設海事仲裁機関、発祥の地も神戸ですので、現在本拠は東京にありますが、神戸は西日本の拠点として様々な企画が催されます。今年はかなりの数の関係者が集まりましたが、通例では東京での大人数の開催と比べて比較的小規模の、近しい感覚で交流できるのが魅力的に感じられます。
ご参考 日本海運集会所のHP: https://about.jseinc.org/business/arbitration/
忘年会に先立ち、日本郵船株式会社調査グループ林光一郎氏による「2025 Outlook for the Dry-Bulk and Tanker Shippinng Markets 海上荷動きと船腹需給の見通し」講演を拝聴しました。今年の特徴的なトピックとして、船腹供給動向に関連し、4月にトランプ大統領が大統領令で宣言した米国造船産業復活に関するMaritime Action Planの具体化やSHIPS for America Actの審議が進んでいないこと、原因として司令塔となるはずだった国家安全保障会議(NSC)が政権内事情で縮小となり官庁間の利害に対する強い調整能力を発揮することができていないことが指摘されました。海事産業復興政策の全体像が見えなければ建造される船腹供給量、船舶採算性評価が難しい、とのことです。
来年も引き続き米国造船産業への投資にどのように向き合うか、どのように「ディール」が決まるのか、が注目されます。
(2025年12月4日記)