所長雑感

BIMCO レターについて

米国産LNGや穀物を米国建造船に限るというトランプ政権の案は今週公聴会を経ていますが、現在の米国での建造能力に照らし非現実的です。ご参考までに3/17付でUSTRに提出したBIMCOレターの関連部分を試訳しました:

引用開始:

「….米国の原材料輸入の輸送コストの上昇は、そのような商品は相対的に価値が低いため、高価値の輸入品よりもはるかに大きな影響を受ける。 この影響は、より多くの原材料を必要とする国内生産の増加など、米政権の他の表明した目標に逆行するものである。 提案されている措置の一部は、米国の輸出に関するものである。 これに関しては、米国で建造され、米国船籍を持つ船舶の建造と運航を活性化させたいという要望がある。 しかし、提案されている輸出要件を満たすために現在利用可能なトン数(注5)は、数、サイズ、種類ともに限られている。 もしあったとしても、年間、暦年あたりの米国輸出のシェアが、米国で建造され、米国船籍を持つ船舶で輸送されることが要求される20%を満たすことを証することができる海運業者はほとんどないだろう。 これは事実上、実施後の米国輸出がほとんどできないことを意味する。特にエネルギー輸出、特に液化天然ガス(LNG)は、米国で建造され、米国船籍を持つLNG船が就航しておらず、発注中もない。 将来、米国籍船で米国輸出を行うことが現実的かどうかは、本コメントの範囲外である。 米国の造船業は長い間競争力を失っており(注6) 、それは世界の船隊における米国の建造トン数の不足が証明している。 しかし、米国籍船で米国産輸出貨物を輸送することが義務付けられ、そのような船腹が利用可能になれば、輸送コストが大幅に上昇し、世界市場における米国産輸出貨物の競争力に影響を与えることになる。 まとめると、提案されている措置は、米国の輸出入に輸送コストの大幅な増加をもたらし、米国経済全体に悪影響を及ぼす。」

引用終了:

日本建造LNG(運搬)船(dual-fuel) を扱いましたが、性能への評価が高いので、日本建造船をお勧めしたいと思います(個人的にはモス型が好きです)。

(2025年3月27日記)

日鉄社によるUSSへの「投資」について

2025年2月10日、トランプ米国大統領は、石破総理の訪米会談後、日鉄社によるUS Steelへの「買収」ではなく「投資」である、「誰もUSSの株式の過半数株式は得られない」とエアフォースワンでのインタビューで答えていました。どのような「投資」スキームにするのか日鉄社関係者もこれから思案するのでしょうが、米国内にSPCを設立し、そこにUSSの事業を切り出し、同時に日鉄社からの大きな出資と技術供与で対応するのも一つの案かなと考えました。

頑張ってください。

(2025年2月10日記)