2013年に商事法務社から「法律意見書の読み方」を出版しています。これは同社NBL(New Business Law)誌にタイタニック号遭難事件、福島原発賠償問題、超円高、ギリシャ・デフォルト危機、上場企業巨額不正会計、海運オペレーター倒産など、混迷の時事の出来事をベースに歴史的な視点を交え、主として法務部で活躍する若いインハウス・カウンセルを読者に想定しつつ半年間連載した小稿を取りまとめ、更に出版にあたり新たな執筆稿(「特殊な意見書:担保意見書、稟議:北極海航路、近未来2015年 – 巨大LNG船『モスラ』SOS!」。当事務所の名称はここで登場させた架空の「大海原」海事弁護士に因みます)と英文リーガル・オピニオンのサンプルを添付したものです。
この著書は筆者がロンドン大学留学中聴講したPhilip R. Wood教授の講義へのオマージュですが、同教授の講義が法律事務所勤務弁護士向けの法律意見書作成留意事項であるのに対し、この「法律意見書の読み方」は視点を法律意見書の起案を受領するインハウス・カウンセルに置き、例えば社内稟議に適合しない留保事項(reservation)が含まれていた場合の対処などに言及するものです。
なお、中央経済社のご要請により「ビジネス法務」2021年12月号に「『クロージング・オピニオン』の読み方 -初心者のための実務的留意事項」を寄稿しています。